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委任状と印鑑のおはなし 審査中の出願でもお力になることができます!

先日、ご自身で商標出願の手続したお客様から「特許庁から拒絶理由通知っていう書面が届いて。。。これはもう登録できないってことですか?」との相談を受けました。

急に「拒絶理由通知」なんていうおおげさな名前の通知が来たら「この世の終わり」かと思っちゃいますよね?(おおげさです。)

拒絶理由通知については別の機会に詳しく説明したいと思いますが、審査官の考えた「登録できない理由」が書かれた通知です。この通知を受け取ったとしても、適切な応答を通じて登録できるケースもかなりあると思います。ただし、放置したら登録は出来ないので何らかの応答が必須です。

拒絶理由対応は、経験・知識が必要となるケースが多くご自身での対応が困難な案件も多いと思われます。このような場合は弁理士等の専門家にご相談下さい(弊所でも喜んで承ります。ご相談だけでもお気軽にどうぞ。)。

拒絶理由の対応を手続する際は「委任状」という書面を提出します。 

委任状とは、出願人の代理人として手続を行う権限を弁理士等に与える大切な書類です。

少し前まで、委任状は出願人様に押印頂いた上での原本提出が必須でした。

しかし、河野行政改革担当大臣の打ち出した「脱ハンコ」のムーブメントが特許庁にも押し寄せた結果、令和2年12月末から一部の手続を除き押印が不要になったんですね。

特許庁関係手続における押印の見直しについて
https://www.jpo.go.jp/system/process/shutugan/madoguchi/info/oin-minaoshi.html

はっきり言ってこれはすごく嬉しい!とても楽になりました!!

河野大臣には足を向けて寝られません!

依頼人様から見ても煩わしい事務作業が減ってすごく良いことなんじゃないでしょうか。
でも原本を特許庁に郵送することは引き続き必須なんですよね。電子ファイルで提出して好きな時に印刷してくれればいいのでは…?謎の運用…。いつか見直されるといいな。

ただですね。何事も光あれば影あり。押印の機会が減るとハンコ業界の方たちはものすごく困りますよね。ハンコが売れなくなってしまいます。

私個人的にはハンコの印影ってとても好きなんです。プライベートな印鑑の印影は篆書体と吉相体にしていますが、どちらも呪術的な印影の魅力が感じられて気に入っています。

「契約」という行為は時に「命のやりとり」と言えるほどの重みを持つこともあります。そのような契約でお互いに交わしあう印鑑にはある種の重厚さが求められるように思います。そんな側面もあるハンコの文化が無くなってしまうのは寂しいですね。

たまたまですが、今日テレビで「苦境にあえぐハンコ会社がウイスキー業界に参入」というニュースを観ました。「エイプリルフールのネタかな?」との思いが一瞬頭をよぎりましたがそんなわけもなく。。。

にいがた経済新聞 2021年2月17日付記事 「新潟亀田蒸留所が製造を進める、新潟初の本格モルトウィスキー」
https://www.niikei.jp/54286/

なんと新潟県の会社です!印鑑販売の株式会社大谷さま。

「脱ハンコ」の流れの中で従業員の雇用を守るための決断であるようです。

ハンコからウイスキーとは何ともびっくりですが、これからの時代、変化を恐れずにどんどん変わっていくことはとても大切だと思いますので見習いたいものです。

新潟の企業ということもありぜひとも飲んで応援します!!(飲めるのはまだまだ先みたいですが)

ちなみにウィスキーだったらラフロイグが好きです。いつもアクセントをどこに置くべきかわからなくなります。

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