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外国商標出願の補助金活用事例のご紹介!あの「初音ミク」も利用してます!

今日は中小企業が外国商標出願を行う際に利用できる助成金の活用事例をご紹介します。
概要はこちらで解説してますのでぜひご覧ください。外国出願費用の半額(最大60万円)が助成される本制度。使わない手はありません。

今回ご紹介するのは↓↓で紹介されているクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の補助金活用事例です。自社ブランドの保護に本件補助金を非常にうまく活用されています。

https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_gaikokusyutugan.html
特許庁ウェブサイト 「外国出願補助金事例集 2021年度版」

「え。じゃあ↑↑のリンクを読めばいいのでは?」という突っ込みは無しでお願いします(笑)!

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社は音楽制作ソフトの開発・販売等を行う北海道の企業です。社名を聞いてピンとこない方にすごくわかりやすく言うとあの「初音ミク」を世に送り出したスゴイ会社です!

ただ聞いたことはあるものの「初音ミクが何なのか」をよく知らない方も多いですよね。「アニメとかマンガのキャラクター?」と思ってる方も多いのではないでしょうか。

そこで簡単に初音ミクについて知識を整理しましょう。

Wikipediaでは初音ミクは「クリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成・デスクトップミュージック (DTM) 用のボーカル音源、およびそのキャラクター」であると説明されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E3%83%9F%E3%82%AF
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 「初音ミク」のページ

わかりやすく言うと①「機械に歌わせることのできるソフトウェア」であり、また②「初音ミクというキャラクター」の名称ですね。この②だけで初音ミクを認識している方が多いように思います。ちなみに「VOCALOID(ボーカロイド)」という言葉も聞いたことがあると思いますが、これはヤマハ株式会社の開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称で「初音ミク」もこの技術を使っています。この「VOCALOID(ボーカロイド)」からの派生でボーカル音源ソフトウェアを使った楽曲を「ボカロミュージック」「ボカロ」と言ったりします。

昔から作曲用ソフトウェアはたくさんあって大抵の楽器音は再現できていました。しかしボーカルだけはソフトウェアで入力できなかった為、歌モノの曲(ボーカル有の曲)を創る場合、歌手に依頼して歌ってもらうことが必要でした。非常に手間がかかっていて面倒だったんですね。

しかし初音ミクをはじめとするボーカル音源ソフトウェアの登場で状況が大きく変化します。

初音ミクを使うことで作曲家が自分で歌を入力できるようになったんですね。あたかも他のピアノやドラムのフレーズと同じような感覚で「歌パート」がつくれる。それまでは不可能だった「たった一人で歌モノの曲が作れる」という状況になりました。初音ミクはソフトウェアとしての優れた機能性と可愛らしいキャラクターとが相まって大きな話題になります。そして2007年頃、多数のクリエイターが初音ミク等のボーカル音源ソフトウェアを使って作曲・ネット上にアップし、これらの楽曲が人気を博すという一大ムーブメントが起きました。

誰かが曲をアップすると、刺激を受けたクリエイターが他の曲をアップしたり、その曲からインスパイアされたイラスト・動画を製作してアップする。はたまたボカロの歌を人間が歌った音源、音源にあわせて踊った動画をアップする、といった具合に「創作の連鎖」が発生しその潮流は爆発的に拡大していきました。

初音ミクはバーチャルアイドル(バーチャルシンガー)という位置づけでもあり「ソフトウェアの初音ミク」を使用した音源は「バーチャルアイドル初音ミク」の持ち歌と認識されます。たった今も、世界中のクリエイターが初音ミクを使用した曲を創作しネットに公開し続けています。WIKIでは彼女の楽曲は10万曲とされていますがおそらくもっと多いことは確実。世界で一番レパートリーの多いアイドルと言えるでしょう。

そんな初音ミクは日本のみならず海外でも積極的にライブを行っています。
2014年から2020年にかけて米国、中国、台湾、インドネシア、シンガポール等、13の国と地域でのべ35公演を開催。なんとあのレディ・ガガ様の前座も務めておられます。

またいま調べたらななななんと、2020年のコーチェラに出演予定だったんだね!!!全然知らなかったけどこれはやばすぎる。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000052709.html

出典:株式会社 PR TIMES 「初音ミク、米国最大級の音楽フェス「コーチェラ」に出演決定! 同時期開催の「MIKU EXPO」北米ツアーも公演追加に!」

コーチェラは世界最大級の音楽フェス「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」のことです。2019年にPerfumeが出演して大変話題になりました。残念ながら2020年はコーチェラ自体がキャンセルになってしまいましたがミクさんが出演していたら歴史が変わってたと思います。ちなみにミクさんが出演する予定だった日のヘッドライナーはRage Against the Machine。。。すごすぎる。。。(レイジ直撃世代です。)コロナ禍が一段落したらぜひとも出演して頂きたい!

このように日本はもちろん海外でも大人気の初音ミク。もともとクリプトン・フューチャー・メディアさんがものすごく知財保護の意識が高い企業であった為、商標の保護も積極的に行っています。外国では500件を超える商標を出願。冒認出願対策も行い自社ブランドの防衛を行っているとのこと。その過程で補助金を利用されているようです(やっと本題に戻れました。)。

クリプトン・フューチャー・メディアさんは商標の国際登録を本日(2021年4月30日)時点で18件所有しており区分も広めです。初音ミク等のキャラクターを様々な商品・サービスに展開する為に区分は広くならざるを得ないと思われ、海外出願の費用はかさんでいきます。

そんなクリプトン・フューチャー・メディアさんは外国出願の補助金を使い以下の出願を行っています。

平成25年 冒認対策で中国に出願。

平成26年 「初音ミク」「鏡音リン」等の商標を海外ツアーを行う中国、欧州、米国、メキシコへ出願。

平成31年 商標「SNOW MIKU」の出願で利用

国際登録1251829

特徴として、1年だけで完結させず補助金を活用して複数年で外国商標出願を拡大しています。1年では知財保護に割ける予算にも限界がありますので、中長期視点で外国での商標出願プランをたてて補助金を使いながら段階的に保護を拡大していくというのはとても賢いやり方だと思います。

弊所では海外展開計画、ご予算に応じた長期・中期での外国商標出願戦略の立案についてもアドバイス致します。お気軽にご相談下さい。

今日は外国出願の補助金についてお伝えするつもりが、事例集に大好きな初音ミクとクリプトン・フューチャー・メディアさんが掲載されていたので紹介したくなってしまい…主従が逆転した内容になってしまいました(笑)。初音ミクはインターネットの良き面の象徴だと思ってますので今後も活躍が楽しみです。

やや余談になりますが、クリプトン・フューチャー・メディアさんは「創作の連鎖」を守るため、可能な限り二次創作を許容する考え方をとっておられます。その柔軟な姿勢が本ッ当に素晴らしい!この二次創作に対するクリプトン・フューチャー・メディアさんの考え方が創作現場に与えた影響はとても大きいんじゃなかろうかと個人的には思っています。 

https://blog.piapro.net/2010/02/chiki-2.html
出典:初音ミク公式ブログ 【chikiの著作権のおはなし 番外編】 著作物の創造と想像(2)

YOASOBIのAyaseさんや米津玄師さんなどボカロP出身のクリエイターが少なくないことを考えると、ボカロが日本の音楽シーンに与えている影響は非常に大きいと思います。才能あるクリエイターが活躍する・世界から発見される現場としてボカロシーンは今後も盛り上がってほしいですね。

初音ミクの曲を聴いたことが無い方にお勧めの曲をいくつか(音楽的趣向がばれそう。)。YouTubeで検索してみてください。

Satisfaction

ヒビカセ

Strangers

ラズベリー*モンスター

Glow

METEOR

アンノウン・マザーグース

塵塵呪詛

狂う獣

ODDS&ENDS

Tell Your World

大好きなのでいくらでもあげられますね。
世間はGWということもありライトな内容にしようと思ったらすごくアツい内容になってしまった(笑)。

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