先日、特許庁ホームページでファストトラック審査の休止が発表されました。
もともとファストトラックは審査期間の長期化対策として導入されたものなので、審査期間が短縮された今、その役割を終えたということなのでしょう。再開時期は未定とのことです。このまま再開されず過去の遺産となる可能性もありますね。一つの時代が終わった感があります(大袈裟)。
ここ1年程で商標の審査スピードはかなり早くなりました。
2021年3月時点で書いた記事↓↓によれば商標登録に要する時間は出願から約1年。2年前の2021年3月頃は出願から登録査定まで早くても1年がデフォだったんです。
ここ最近の審査スピードはどの程度なのかと言えば、特許庁が商標審査の着手状況を公開してまして下記ページにて確認可能です。
画像をはっておくと以下の通り。
出典:特許庁ウェブサイト 商標審査着手状況(審査未着手案件) ※2023年4月11日
化学・食品・機械分野では3~5か月と劇的に改善されています。役務は少し時間がかかっていますがそれでも約6~8か月。もっとも長期化していた頃の半分くらいなんじゃないでしょうか。
お客さんから「登録までどれくらいの時間がかかるんですか?」と聞かれ「1年くらいですね」と回答すると「!?!?けっこうかかるんですね。。。!!!(溜息)」というお約束のようなやり取りをここ何年か繰り返してました。当分はこのやり取りも必要なさそうです。
でですね、この商標の審査期間の短縮に関して特許庁が目標を設定していたことをひょんなことから知りました。なかなか面白いので次回掘り下げて説明しようと思います。
というか、通常審査の審査期間が約3か月となると早期審査の審査期間とほとんど変わらないことになりますね。通常審査との差別化の為、早期審査を大急ぎで処理しないといけない審査官の皆様の気苦労を思うと勝手に胃が痛くなります。ファストトラックが休止になったのもこの辺の事情があるのかも?
今回は以上です。