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商標の拒絶理由対応マニュアル③ 拒絶理由の内容は?よくある4つの拒絶理由を解説!

特許庁から無慈悲に届く拒絶理由通知について解説するシリーズ。特許庁から「拒絶理由通知」というものを受領し世をはかなんでいる。。。そんな方にこそ読んで頂きたいです!

前回は拒絶理由の応答期限について解説しました。
「応答期限の確認方法」「応答期限後でも延長できるかもなので要確認!」といった内容でしたね。

今回は審査で通知されることの多い「拒絶理由四天王」(笑)を解説します(四天王って。懐かしい響き。)。

実際の拒絶理由はレアなものも含めるとたくさんあります。
しかし実際に指摘される拒絶理由の大部分は↓↓の4つでカバーされていると思います。

拒絶理由通知を受領した際、まずは「どのような指摘を受けているのか」という大まかな概要を把握しましょう。

↓↓に各拒絶理由の「キーワード」を記載してますので、お手元の拒絶理由通知とにらめっこしながらキーワードを探してみてください(拒絶理由は1つとは限らず複数の理由が通知されることもあります。)。また大雑把なものですが拒絶理由を克服するための「難易度」も記載しています。参考にしてください(正確な難易度を割り出すにはより詳細な検討が必要です)。

四天王1:他人の商標と同じか似ている

拒絶理由通知内に↓↓のような文章があったらこの拒絶理由です。

キーワード:「第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)」

      「下記の登録商標と同一又は類似」

      「先に出願・登録された他人の商標と同じか似ている商標は登録が認められません。」

難易度:低~高(内容次第です。)

これは「出願商標が他人の商標と同じか似ているから登録できない」という拒絶理由です。
商標登録は「早いもの勝ち」が原則で、また似ているものにも効力が及びます。よって、同じか似ている商標が1日でも早く出願されていた場合は登録ができません。

克服するには「両方とも似てない!!」と反論する、重なり合っている指定商品・役務を削除する等、様々な方法が考えられます。内容によってはアッサリと克服できることもある為、内容の精査が大切です。

四天王2:識別力が無い

キーワード:「第3条第1項第3号(品質等表示)」

「商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」

「商品の品質又は原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるもの」

難易度:中~高

「識別力が無い」とは「記述的表示」とか「内容表示」とか言われるものです。

すごーくざっくりと説明すると「みんなが使う表示で誰かが独占すると不便な表示」であるということです。例えば商品「ピザ」について「マルゲリータ」とか「シーフード」といった表示は単にピザの名称や種類を表しているにすぎません。なのに「マルゲリータ」「シーフード」を誰かが商標登録して独占してしまうと、誰もその表示を使えなくなってしまい不便ですよね?なので「マルゲリータ」や「シーフード」は「ピザ」について「識別力が無い」という理由で登録を認めないルールになっています。

「ピザ」で例えたのはテーブルにたまたま宅配ピザのチラシがあったからです(笑)。

克服するには反論が必要ですが、意見書の作成は簡単とは言えません(克服困難なケースもあります。)。よって専門家に相談することをお勧めします。

四天王3:指定商品・役務の記載・区分が特許庁ルールとあっていない

キーワード:「第6条第1項(指定商品又は指定役務の表示が不明確)」

「第6条第2項(区分相違)」

「指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものですから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、この商標登録出願に係る指定商品中、××× は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められません。」

「政令で定める商品及び役務の区分に従って第×類の商品を指定したものと認めることもできません。」

難易度:低~中

これは指定商品・役務の記載が特許庁ルールと合っていないというものです。
よって、多くの場合、特許庁ルールにあうように記載や区分を修正すれば克服可能!です。

ほんのわずかな修正で登録できることもある為、この拒絶理由で登録を断念することは非常にもったいないと言えます。

四天王4:商標の使用意思

キーワード:「第3条第1項柱書(使用についての疑義)」

「出願に係る商標を使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義がある」

難易度:低~中

ざっくり言うと1区分の中で広い商品・役務を指定している際に通知されます。
要するに「広い範囲で出願してるけど本当にこの商標使う気あんの?」と審査官から聞かれていると思って下さい(こんなにガラが悪い訳ないです。)。

克服方法は何パターンかあり最終的には克服できる可能性が高いです。
ですから、これも簡単に登録をあきらめたらもったいない拒絶理由です!もったいないお化けが出るレベルです(古すぎる)。

以上、拒絶理由四天王を解説しました。

わかりやすさに全振りした結果、説明がざっくりしすぎているかもしれません。今後、個別に各拒絶理由を解説しますのでより詳しい説明はそちらをご覧ください。

いずれの拒絶理由も「簡単にあきらめてはいけない」という点で共通します。
せっかく手間とコストをかけて出願した商標です。本当に登録をあきらめないといけないのかどうか、拒絶理由の内容を確認してから判断するのが賢明でしょう。

拒絶理由の内容について検討を希望される場合はお気軽にこちらまで、またはお電話にてご相談下さい。上記4つにあてはまらない拒絶理由についてもご相談をお待ちしております。

ピザに例えて説明したのでアイキャッチ画像をピザにしてみましたが、己自身に飯テロをしてしまう結果に。。。(23時30分にこれを書いている。)やめとけばよかった(泣)。

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