ネーミングに関するアレコレをお伝えするシリーズ。ネーミングの知識を深め明日の大ヒット商品を生み出す糧としましょう!
前回は急遽「燕三条鉄アイス」の話をしましたが、前々回は「商品名変更の成功事例」として「おーいお茶」を紹介しました。今回も商品名変更により売上げが激増したネーミング成功事例をご紹介します。
成功事例2「鼻セレブ」
現代人が毎日のように使用するティッシュペーパー。我が家では1歳8か月児がティシュを用いて悪の限りを尽くすので消費量が半端ないです。。。
本商品は「保湿ティッシュ」という文字通り保湿成分を含んだティッシュのことです。ふんわりとやわらかい肌触りとなるのが特徴のティッシュなんですね。
1996年の発売当初、本商品は「モイスチャーティッシュ」という名前でした。
当時は「保湿ティッシュ」自体の知名度が低かったこともあり「使用感がとても良い」という好意的な感想がある一方、売り上げは伸び悩んでいました。ウェットティッシュと間違われて「濡れてないけど?」という問い合わせもあったようです。
そのような状況を改善すべく「モイスチャーティッシュ」の担当企画部員・デザイナーなどが商品名変更の検討を開始。100案近くの代案の中から「鼻セレブ」が選ばれました。そして「しっとりふわふわ」「やわらかい」という商品の特徴・イメージを踏まえ動物の写真をパッケージに採用します。
出典:王子ネピア株式会社 「鼻セレブ」ウェブサイト http://hana-celeb.com/product
こんな感じ↑↑でヤバかわいいパッケージデザインです。
そして2004年に新商品名「鼻セレブ」として売り出したところこれが大ヒット!
ネーミングの面白さ、伝わりやすさ、パッケージのかわいらしさが相乗効果を生み、発売翌年の2005年以降は取り扱い店舗が急増!売り上げも「モイスチャーティッシュ」当時と比べて10倍以上の売上となりました。すごい!
私の個人的体験ですが、初めて「鼻セレブ」のパッケージを見たときのことを鮮明に覚えてるんですよね。同僚の机にかわいい動物の写真が使われたティッシュが置かれており、その商品名が「鼻セレブ」でした。
記憶に刻み込まれたパッケージデザイン↓↓
出典:王子ネピア株式会社 「鼻セレブ」ウェブサイト http://hana-celeb.com/product/box.html
きみは皇帝ペンギンだったのか。
今回のブログ執筆で初めて知ったよ(笑)
商品名である「鼻セレブ」を目にした途端に「あ、高級感のある使い心地の良いティッシュなんだな」「たくさん使っても鼻が痛くなったりしないんだろうな」っていうのがパッ!とわかってしまったんですよね。予備知識ゼロにも関わらず。
これってすごくないですか?
名前から商品の特徴である使用感、高級感、コンセプトが自然に伝わってしまう最高のネーミング&デザインだと思います。
どの辺りが最高なのかをあえて言語化してみると。。。
・シンプルで親しみやすい。
・インパクトがあり覚えやすい。
・商品の特徴である使用感・高級感が伝わりやすい。
・パッケージが商品イメージを補完・増幅している。
といったところでしょうか。
文字数にすればわずか4文字の「鼻セレブ」。
たったの4文字から伝わる商品の情報量、インパクト、言葉から喚起される広がりのあるイメージ等々を考えると芸術的ですらあります。ほんっとにため息がでるほど素晴らしいネーミングですね。
この「鼻セレブ」ですが「日本ネーミング大賞2020」の大賞を受賞しています!
https://j-naming-award.jp/award/
日本ネーミング大賞は今回が第一回目の開催のようです。その他の名だたる著名なネーミングを抑えての大賞はすごいの一言ですね。
前々回と今回で「おーいお茶」「鼻セレブ」のネーミング成功事例を紹介しました。これらの事例では「ネーミングは変わったけど商品自体は同じ」という共通点があります。
ネーミングの売上げに与える影響の大きさをわかって頂けるのではないでしょうか?
「商品の売上が伸びない」「マンネリ化しているので何らかの変化が欲しい」等の悩みを抱えておられるご担当者様は、売上アップの起爆剤としてネーミング変更を検討してみてください。
弊所ではネーミング手法のレクチャー等を承りますのでお気軽にご相談下さい。
次回は少し趣の異なるネーミング成功事例をご紹介したいと思います。