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ネーミング夜話① 商品名を変えることで売上が爆増した成功事例「お~いお茶」 

ネーミングに関して情報提供するシリーズ。「夜話」といいつつ朝も昼も更新すると思います(笑)。

「ネーミング」とは「商品・サービス等に名前を付けること」です。

商品・サービスの名前に限らず、一般人、芸能人、企業、グループ、イベント、建物、地名等の「名前」から我々が受ける印象は非常に大きいと思います。名前を見ただけで自然な好感を抱いたり、残念ながらその逆だったりすることは珍しくありませんね。

商品・サービスとの関係でもネーミングは売上に影響を与える超重要な要素です。
非常に優れた商品であってもネーミングが残念であればさっぱり売れません。
逆に、正直パッとしない商品でもネーミングがイケていれば見込みの数倍、時には数十倍の売上になったりします。

同じ商品でもネーミング次第で売れ行きが大きく左右されるんですね。
ネーミングは商品・サービスの運命を決するものと言っても過言ではありません。

ここでネーミングの成功事例として商品の名前を変更して売上が爆増した事例を紹介します。

成功事例1「お~いお茶」

誰もが知っている緑茶飲料の代名詞的存在です。私も大好きで特に「濃い茶」を愛飲してます。あの苦くて脳にガツンとくる感じがたまりません。

ヘルシー志向の高まりから日本のみならず海外でも大人気。米国シリコンバレーではワークコンディショニング飲料として親しまれているようです。

PR TIMES「海外の緑茶人気を牽引するアメリカの最新お茶事情 ~サンフランシスコではIT×お茶の最新サービス、シリコンバレーの先端企業ではワークコンディショニング飲料に~」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000034365.html

現在では世界的人気を博す「お~いお茶」も最初から消費者に受け入れられた訳ではありませんでした。

実は1985年の発売当初は「缶入り煎茶」という名前でした。

出典:株式会社伊藤園ウェブサイト

10年という長い開発期間を経て世にでた「缶入り煎茶」でしたが発売当初は伸び悩みます。
原因として、当時は「お金を払ってお茶を買う」という習慣が根付いていなかったことに加え「煎茶」という字を読めない人が多かった。「せんちゃ」ではなく「まえちゃ」「ぜんちゃ」と誤読されており、そもそも「日本茶」であることが消費者に伝わっていなかった訳です。

そこで伊藤園はネーミングの変更を決断。試行錯誤の結果「おーいお茶」へと商品名が変更されました。1989年のことです。

出典:株式会社伊藤園ウェブサイト

ネーミングのポイントとしては以下の通り。

・家族だんらんのコミュニケーションの場で飲むお茶をイメージ。

・お茶摘みの時の「お~い」という掛け声のイメージをお客様に伝えたかった。

・家庭的な雰囲気を演出して売り場から「お茶をどうぞ」と語りかけるような商品名とした。

このネーミング変更は大成功!

名前を変えた初年度に売上が6倍40億円になりました。

その後も「おーいお茶」は順調に売上を伸ばし世界中で愛される大ヒット商品となりました。今では当たり前に存在する「緑茶飲料」というカテゴリがあるのは「おーいお茶」のおかげと言えるでしょう。

「おーいお茶」の開発ストーリーが伊藤園のウェブサイトで公開されており商品名変更のエピソードもばっちり取り上げられています。マンガだとすごく読みやすい!商品開発やネーミングの苦労がよくわかります。

「伊藤園の緑茶飲料開発ストーリー」

https://www.itoen.jp/oiocha/history/comic/index.html

出典:株式会社伊藤園ウェブサイト

マンガ内で取り上げられていますが、商品名変更の第一候補は「緑茶」だったようです。しかし安易に「緑茶」とせずに「日本茶の新しい価値観を提供するには?」「お客様がお金を出して緑茶飲料を買ってくださるのか?」「もっと親しみを感じられる名前はないのか?」という観点から検討に検討を重ねた結果、「おーいお茶」というネーミングが生まれたんですね。

もし商品名が「緑茶」だったら、今のように緑茶飲料が当たり前にある世界線ではなかったかもしれません。

やはりネーミングの際は商品の本質と徹底的に向き合うことが大切なんだと感じるエピソードです。

それにしても伊藤園さんのマンガは良く出来てますね。
「このマンガを読めば本ブログの記事は必要ないんじゃ・・・??」とは思っても口に出さないのがお兄さんとの約束だぞ(笑)

次回は他のネーミング成功事例をご紹介します。

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