前回のつづきで「商品名変更の成功事例」を書こうと思っていたところ、twitterで「燕三条鉄アイス」のニュース記事がまわってきました。一読して「なんて良いネーミングなんだ!」と感激しましたので勢いに身を任せ「どうして燕三条鉄アイスが良いネーミングなのか」を分析・解説したいと思います!担当者様にとどけー!!
1.インパクトが絶大!
まず「鉄アイス」という名前のインパクトがものすごいです。
「鉄」と「アイス」という全く相容れない、普通ならば組み合わせることのないワードが合体して生まれる強烈な破壊力!
「え・・・アイスに鉄が入ってるってこと??」
という見る者に困惑を与えながらも興味を抱かざるを得ない吸引力があります。
「鉄味のアイスとかどうなの?」
「血の味がするってこと?」(なぜか少し懐かしい感覚)
とややネガティブなイメージを喚起しながらもそれを上回る圧倒的な「ちょっと食べてみたいな」という興味を喚起する商品名。実際、私はすごーく食べてみたくなりました。どんな味か気になりますよね?おそらく多くの人が似たような感想を抱いたのではないでしょうか。
以前「亀ゼリー」っていうのが話題になりましたが構造としては似ているのかな?と思いました。「亀ゼリー」もめちゃインパクトがすごいですよね。
ネーミングにおいてインパクトは全てではありませんが重要な要素です。いわゆる「つかみ」の効果もありますがSNSでの宣伝効果が期待できる為です。
今の時代、SNSでまわすには「面白さ」「インパクト」が欠かせません。
広告宣伝にお金を割けない企業は見習うべき点だと思います。
2.名前に全情報がぶちこまれている
「燕三条鉄アイス」という名前を見るだけで「燕三条で作ってる鉄の入ったアイスなんだな」っていうのが理解できてしまう明快さ!名前に主要な情報がほぼ表されているので一見するだけで「どんな商品なのか」が伝わります。ネーミング的にはすごく大切なことです。
小林製薬の「ブルーレットおくだけ」や「熱さまシート」に通じるわかりやすさがあります。
ネーミングにおいてわかりやすさは正義です!
3.ストーリーがある
本商品を取り扱ったニュース記事の抜粋をご覧ください↓↓
「燕三条鉄アイス」の販売を先駆けて(株)プラスワイズが新潟県三条市の滝沢亮市長に完成報告
燕三条地域は、ル レクチェや越後姫など農作物なども有名だが、「金物のまち」のイメージが強い。今回は燕三条の「美味しい農作物・加工品・料理」を多くの人に知ってもらい、食品に目を向けてもらうきっかけ作りに「食品」×「金物のまち」と、地域で力を入れていた「工場見学」を合わせて、「食べる工場見学」をコンセプトに企画・開発し、コロナ禍後の燕三条地域に以前の盛り上がりをいち早く取り戻すために新名物で貢献する。
(出典:ニュースサイト「にいがた経済新聞」 2021年4月19日付記事)
https://www.niikei.jp/70945/
上記記事にもある通り、燕三条地域は「金物のまち」として有名です。それを喚起させる「鉄」と「食品」を「食べる工場見学」というコンセプトのもとに融合したのが本商品ということ。
また別記事によれば「インターン学生と地域の企業のコロナ禍後にいち早く元気を取り戻してほしいという熱い思いで企画が始まった」とあります。
本商品の背景に『コロナ禍で疲弊した「金物のまち」で学生と地元企業が企画・開発した「鉄を使った食品」』という熱いストーリーが感じられますね。こういうストーリーは消費者の共感を呼ぶ大切な要素です。消費者は「ストーリーがある商品」には自然にお金を払ってしまうんです。
本商品は冷たいアイスなのに関わった方々の「熱量」がネーミングと背景のストーリーを通して感じられます。「食べる工場見学」というコンセプトもとっても秀逸だと思います。
4.パッケージもすごく。。。イイッ!!
ネーミングとはすこし違いますがパッケージも最高です。
(出典:ニュースサイト「にいがた経済新聞」 2021年4月19日付記事)
パッケージには「金物のまち」をイメージして工具がたくさん描かれています。
「鉄」を想起する武骨な印象とあいまってすごくクールだと思います。
蓋をあけたときの黒々とした見た目による「鉄だ。。。」というびっくり感もまた楽しい!
このパッケージだけでも手に取りたくなってしまいますね。
以上のように「燕三条鉄アイス」はネーミングにおいて重要な要素が山盛りのとても素晴らしい商品名だと思います。既に話題になっていますが商品が大ヒットすることを願っています。
あとはもし商標出願がまだでしたらぜひお力になりたい!担当者様にとどけー!!
(いえ、おそらくもう出願済だと思いますが。。。)
「燕三条鉄アイス」は4月24日から三条市内の農産物直売所で販売されるとのことでぜひ食べに行きたいです!ご興味ある方は買って&食べて燕三条を応援しましょう。