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「ゆっくり茶番劇」から考える商標のあれこれ なんで関係ない他人が商標出願できちゃうの?(前編) 

本記事執筆時点ではすっかり事態が終息してしまいましたが「ゆっくり茶番劇」を巡って商標、ユーチューバー、ニコニコ界隈がかなり騒がしかったですね(他人事か)。燃えに燃えて大炎上となり出願人さんも焼き尽くす業火となった印象がありますよね。

乗り遅れたどころか、既に乗ろうとしていた電車が終点に到着してしまった今更感がものすごいですが「ゆっくり茶番劇」に関する解説をしてみようと思います(遅い!遅すぎるぞジョジョー!!)。

とはいえ「ゆっくり茶番劇」自体の解説は既に世に溢れかえっているでしょうから少し切り口を変えて「そもそもなんで『ゆっくり茶番劇』を全然関係のない他人が商標出願できちゃうの?」という素朴な疑問にお答えしようと思います。

「ゆっくり茶番劇」はニコニコ動画等で用いられる動画作品フォーマットの名称(解説系動画等で使われることが多かった模様)で、特定の誰かが明確な権利者という訳では無く「インターネット上の共有財産」、いわゆる「みんなのもの」として認識されていたようです。

にもかかわらず動画投稿者の「柚葉」さんが「ゆっくり茶番劇」の商標を登録してしまったことに加えて『今後「ゆっくり茶番劇」を使用する場合はライセンス料として年間10万円の支払いが必要になる』とアナウンスしたことから大騒動に発展しました。

「ゆっくり茶番劇」のように「ネット上のみんなのもの(共有財産)」と認識されているワードにとどまらず、「特定人が使用した結果、有名になったワード」(「あの人のものだよね」とみんなが考えるワード)を無関係の第三者が勝手に商標出願・登録してしまう事案は昔から定期的に発生してました。

例えば以下のような事例があります。

「人の金で焼肉食べたい」(登録6338400)

「OSAKOHANPANAITTE」(商願2018-091373)

「ぴえん」(商願2020-023354)

「PPAP」(商願2016-108551他)

「バズレシピ」(商願2020-123834)

「くまクッキング」(商願2020-123168) ※登録査定後に出願却下処分。

「そだねー」(商願2018-024549他)

「ギコ猫」(商願2002-019166)

いかがですか?程度の差はあれど出願・登録時に世間がざわついたことを記憶されている方もおられるのではないでしょうか?他にも「のまネコ問題」とか「ベストライセンス社」とか「アマビエ」とか色々ありますがご興味ある方はググってください!!(すまん。)ベストライセンス社についてはは以下の記事を読んで下さいね。

上記のワードは「特定の誰かのもの」又は「ネット上のみんなのもの」と認識されそうなものですが、いずれも全く関係のない他人により出願・登録されたものです。
また、世間的には知られていないものの以下のような商標も登録されています。

「どこでもドア」(登録5322169)

「ベホイミ」(登録5825756)

「川の流れのように」(登録4530495)

「ラスボス」(登録6547085)

いかがでしょうか?上記商標からも特定の作品・ゲーム・小林幸子さんが想起されるんじゃないでしょうか?ちなみに「ラスボス」は花王株式会社さんが「化粧品,せっけん類,等」に登録しています。

花王さん、一体どうしちゃったの?

ともあれ、これらのワードが関係のない第三者により商標出願・登録されていると知った場合、率直な印象として「ずるい!」と感じる方もおられると思うんですよね。特許庁の審査で拒絶されたものもある一方で、問題なく登録された商標もあります。登録商標には指定商品・役務の範囲内ですが独占権が発生しています。

「どうしてこんな商標を登録してしまうんだ!」「特許庁はちゃんと仕事(審査)をしてほしい」という声は今回の「ゆっくり」騒動でも散見されました。

次回の後半ではこれらの商標が登録されてしまう(または拒絶されてしまう)理由について説明します。

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